ボローニャ便り 11月22日

11月22日(木)

エータベータ就労11日目

 

イタリアでびっくりしたこと。

イタリア人が10人並んでいたら、10人ともファッションがまったく違うこと。

日本で言う双子コーディネイトはまったく見かけません。同じ部分があればとても珍しい程の、個々それぞれの色やアイテムを組み合わせたファッションで街を颯爽と歩いており、毎日目が楽しいです。

 

今日は先週に引き続き、野菜料理のエキスパートのステファニアさんが来ました。

お昼に23人の来客、夕方と夜にイベントが重なり、そのお手伝いをしました。

ステファニアさんの指示に従って、野菜や果物を大量にカットしていきます。

 

Dolce(デザート)にカキのムースがありましたが、予め冷凍していたカキの色がくすんでおり、味も落ちてしまうという問題が起こりました。

それでもエータベータの皆んなは機転を利かせて、カキに黒砂糖とレモンを加えて元の色と味に近づけます。

予測していなかった出来事にも、臨機応変に対応する。エータベータは毎日色々な驚きがあります。

 

去年から働いているダニエーレさんに、2種類のじゃがいもの炒め方を教わりました。

1つはオリーブオイルで外側がカリカリになるまで焼く方法。この調理方法では、フライパンでじゃがいもがくっ付かない程度に炒めてそれ以外はあまり動かさないようにします。

2つ目は、水を何回も加えて蒸発させ、その工程を繰り返してしっとりさせる方法。

同じ野菜でも、調理方法によりまったく異なる食べ物に変化する事を教えてくれました。

 

今日はみんなバタバタしていたので、お昼は簡単なパスタを食べて終了です。

イタリアでの滞在生活も、残り1週間となりました。

まだ達成出来ていないことがいくつか残っているので、ラストスパートにかけて出来るだけ果たせたらと思います。

Nより

ボローニャ便り 11月20日

11月20日(火)

エータベータ就労10日目

イタリアのバスはブレーキや曲がる時の遠心力がとても強いので、つり革を強く握っていないと軽く飛ばされます。

座っていても、前か後ろに滑ります。

イタリアに住んでいる地域の人は慣れているからか、毎日涼しい顔です。イタリア人は強いや!

 

今日はStrozzapreti(ストロッツァプレティ)という手打ちのショートパスタを作りました。

エミリア・ロマーニャ地方で有名なパスタで、「のどを詰まらせた僧侶」というちょっと恐ろしい?意味があります。

このパスタも以前作ったトルテッローニと同じくセモリナ粉をブレンドした小麦粉を使い、より歯ごたえのしっかりしたパスタを作ります。

分量を同じく測って生地を作っても、加えた卵の水分量によって水分の量が丁度よかったり、少し足りなかったり、かなりパサついてしまったり…

その調整がとてもとても難しいです。

去年の5月からエータベータで働いている熟練のパメラさんに、隣で一緒にやってもらいながら生地を作ります。

「OK?(これで大丈夫?)」

「No. more water(もう少しお水が必要)」

を繰り返して、やっと調度良い生地を作る事が出来ました。

そして生地を薄く伸ばす作業も、何度も何度もこれでもかというくらい麺棒で均等に伸ばして、やっと出来上がります。

今日はパスタソースにL’amatriciana(アマトリチャーナ)を作りました。

グアンチャーレという豚の頬肉を一般的に使いますが、エータベータの責任者のジョバンナさんが日本で手に入りやすいベーコンで代用してくれました。

また、チーズは本当はペコリーノ・ロマーノを使いますが、これもボローニャで手に入りやすいパルミジャーノで作ります。

あとはトマトソースとオリーブオイルに塩胡椒少々。

ソースを煮詰めている際、時々かき混ぜる必要があったけどみんなそれを忘れてしまい、底が少し焦げるという失敗がありました。

ジョバンナさんがあちゃ〜という顔をします。

 

それと合わせてサラダにかける用に、Vinaigrette(ヴィネグレット)ソースというドレッシングの作り方も教わります。

ヴィネグレットはフランス語で“酸っぱい”という意味で、オリーブオイルにバルサミコ酢、マスタード、お塩と黒砂糖を混ぜるだけといった非常にシンプルなドレッシングでした。

そしてお昼ご飯。

今日も初めて食べるパスタでしたが、トマトとチーズのソースがとても美味しくパスタも噛みごたえがあり、少量でお腹いっぱいです。

 

 

 

エータベータから帰宅後の午後は、マジョーレ広場にあるサン・ペトローニオ聖堂へ。

中はとても暖かく、首が反り返る程の広さがあり神聖な空気が漂います。

黄金に光るイエスキリストを眺めて、物思いにふけっていた一日でした。

Nより

ボローニャ便り 11月19日

11月19日(月)

エータベータ就労9日目

真冬物のコートを持参せずに、イタリアの冬に完全に油断をしていた私には、今日は身も凍るような寒さでした。

幸い、エータベータの女の子が暖かいガウンを滞在中いっぱいまで貸してくれたので、乗り越えられそうです。

ジェンティーレ(親切)!!

 

今日はエータベータでイタリア料理のじゃがいものニョッキを作りました。

じゃがいも、小麦粉、卵、お塩を混ぜ合わせ、フォークに押し付けながら貝殻のような形を作ります。

まずは茹で方から。皮をむいて小さくカットすれば、茹で時間や茹でた後の手間が簡単になります。

ですが、その方法だとじゃがいもが水分をより吸収してしまい、小麦粉の分量をさらに足さなければいけないので丸ごと皮つきのまま茹でる方法がベストだと教わります。

また、ニョッキにするじゃがいもの種類は中身が白いものより、黄色いものの方が適しているそうです。

中身が白い物は身が硬いので、じゃがいものオーブン焼きやフライドポテトに向いています。

その為、もし身が白いものをニョッキに使う場合は小麦の量が逆に少なくなります。

卵の量は基本じゃがいも1kgに対して1個ですが、分量の調整がとても難しいのでじゃがいもと小麦粉の量を調整する事が大切だと学びました。

私の作った生地は比較的水分が多く、小麦粉が少なくてベタベタしていました。その為生地同士がくっつき易く、ペンネの形を作っても少し時間が経つと形が崩れていました。

もう少し小麦粉を足せばよかったかなと反省です。

そして、ペンネに和えるソースとしてアラビアータソースを作ります。

アラビアータの語源はイタリア語の”怒っている”という形容詞のArrabbiatoという言葉から来ており、その名の通りトマトソースの赤と唐辛子の辛味がそれを表しています。

材料はオリーブオイル、トマトソース、唐辛子、ニンニクにお塩といった非常にシンプルなソースです。

お昼はエータベータにあったいくつかの残り物をワンプレーと形式で食べました。

じゃがいものペンネは食感がモチモチしており、日本の芋もちを食べやすいサイズにカットしたような印象を受けました。

アラビアータソースは非常に辛く、とても寒い丁度今日のような日に食べるのにぴったりな、体が温まるソースでした。

とても美味しかったです。

 

エータベータ就労後は、代表のジョアンさんとジョバンナさんが今年の9月にオープンした、エータベータのもう一つの事業所に車で連れていってくれました。

FARE#TAGというプロジェクト名で、「タグをつける」「跡を残す」と言った意味があるとジョアンさんが説明してくれました。

イタリアで近年問題となっている、若者(特に17〜20代前半)を対象とした職業訓練を行うスペースとなっているそうです。

3つの職業訓練スペースは、利用者さんのそれぞれの興味に合わせて、どのスペースで働くかを選ぶ事が出来ます。

・コンピューターを使ったテクノロジーを学ぶラボラトリー

・工房スペース(木工とガラス食器の製造)

・販売スペース(アクセサリー、ガラス食器、木工ガング)

その他、以下2つのスペースがあります。

・エータベータ内の事務を行うスペース

・展示ギャラリー

どの場所も、ジョアンさんの“若者を助けたい”“子供たちの為にこういう物を作りたい”という想いを通じて造られたスペースがそこにはあり、一層エータベータの魅力に触れた一日となりました。

Nより

ボローニャ便り 11月15日

11月15日(木)

エータベータ就労8日目

ボローニャは一気に気温が冷え込み、本格的に冬が近づいてきました。

今日もエータベータで夜から始まるイベントがあり、その下準備のお手伝いです。

毎週木曜日は野菜料理のエキスパートのステファニアさんがエータベータに来てくれるので、野菜の料理を学ぶことが出来ます。

エータベータの皆んなはイベントの為夜忙しくなるので、時間調整で夕方から入るメンバーが多く、朝は数人のみの集まりでした。

今日も、昨日に引き続きイベントの為のヴェルッタータ(食べるスープ)を作る為に野菜を大量に切っていきます。

ヴェルッタータに入れるネギは玉ねぎと長ネギどちらでも良く、長ネギだと味が優しくなり、玉ねぎだとより繊細な味になると学びました。

お昼ご飯は普段は木工にいるラドさん(イベントのお手伝いでキッチンに来ていました)が作った3種のピザに、にんじんやチコリの炒めもの、生野菜のスティックでした。

鶏肉の皮のスナックもあり、不思議な味がしました。

 

 

 

 

 

 

夜はドネガーニ先生の友人の方からチケットを譲っていただきオペラLA FILLE DU RÉGIMENT(連隊の娘)を観にボローニャ市立劇場へ。

フランス軍の連隊に育てられた孤児のヒロインのマリーが両思いの青年トニオと再会するも、マリーが幼い頃に生き別れた実の母親のベルケンフィールド公爵夫人がマリーをパリに連れて行ってしまい…

といった、フランス・パリが舞台の全2幕のオペラ・コミック(喜劇)です。

オペラは人生初の観劇となりました。

開幕からコンサートのような素晴らしい演奏が始まり、俳優さん達の今まで聞いたことがない声量に圧倒され、細やかな演技に魅入ってしまい、時間が経つのもあっという間でした。

クスッと笑えるシーンも所々にあり、あっさりとした内容で初めての私にもとても観やすいオペラでした。

音楽と芸術の国イタリア!

BRAVO!

Nより