令和3年度赤い羽根福祉基金助成事業「精神疾患をもつ親とその子供の家族まるごと支援事業」シンポジウム
このシンポジウムでは、親が精神疾患を患っている場合、子どもがどのような問題に直面するか考え、それらへの対処について、実践的なアドバイスを示していきます。
「精神疾患とはなにか?」「精神疾患を持つ親と暮らす子どもは、なぜ問題を抱えることがあるのか?」「だれに助けを求めれば良いか?」
日時 | 2021年11月28日(日)13時~15時 |
場所 | 四谷スポーツスクエア会議室Y & Zoom (東京都新宿区四谷1-6-4 JR四ツ谷駅より徒歩2分) |
定員 | 会場参加 20人 オンライン(Zoom) 200 人 |
参加費 | 無料 |
ゲストスピーカー
松本俊彦(精神科医)
2015年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
薬物依存研究部部長。薬物依存症や自傷行為に苦しむ患者と向き合う。
著書に「自傷・自殺する子どもたち」(合同出版)、「自分を傷つけずに
はいられない 自傷から回復するためのヒント」(講談社)など。
長沼葉月(保健学博士)
東京都立大学 人文社会学部人間社会学科社会福祉学教室 准教授。
研究テーマは、児童思春期のメンタルヘルスと家族支援、ソーシャル
ワーク面接技法、多機関・多職種連携のための方法論の開発、スクール
ソーシャルワーク実践理論の開発など。
事例提供
齊藤太一(精神保健福祉士・東洋大学大学院在籍)
ファシリテーター
ノグチヒロフミ(こどもソテリア東京四谷)
保健師・心理士・学校教員など、指定発言者を募集しています。
参加登録
お問合せは、NPO東京ソテリアまで
Tel: 03 (5879)4970 / Mail: kodomo@soteria.jp
マルオの場合
十一歳のマルオは学校を休みがち。登校しても元気のないことが多く、服装がだらしなかったり髪が汚れていたりもします。周りに対して威圧的になることがあり、なかなか友だちもできません。学校は彼の家庭での生活に問題があるのではと考えました。
マルオの母親はシングルマザー。マルオへの指導について、学校から再三面談に呼ばれましたが、出向くことはありませんでした。担任が家庭訪問をしたところ、母親は双極性障害を患っているとわかりました。薬は処方されているものの、指示どおりに飲まなくなり、調子の良い日と悪い日があります。マルオは、母が薬をきちんと飲むよう、常に神経をとがらせていなくてはならなかったのです。それが、彼の欠席の多いことや、他の子たちへの態度の理由だったのかもしれません。また母の面倒をみるだけでなく、二歳下の妹の親代わりもしようとがんばっていました。
学校から相談を受け、地域活動支援センターは、母親の病状の管理と親としての役割の両面について支援計画を立てました。センターは、母親がきちんと薬を飲んでいるか把握する体制を整えました。母親自身も、療養のサポートやアドバイスを受けるため、デイケアで開かれているミーティングに参加するようになりました。マルオと妹に対しては、子供家庭支援センターによる調査が行われ、放課後の支援が始められることになりました…
事例参照: https://www.rcpsych.ac.uk “Parental mental illness: the impact on children and adolescents: for parents and carers”より一部改