高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気や事故などで、脳の一部が損傷を受けた時、身体のまひや視聴覚の障害とは別に、思考・記憶・行為・言語・注意などの、脳の高度で複雑な機能の後遺症です。これらの症状は、重複していることが多く、症状の重なり方によって一人ひとり障害の状態は異なります。また、症状は慣れた環境や作業において軽減し、疲労してくると増大するなど、時間や状況により著しく変化します。高次脳機能障害を持つ人のための環境調節や周囲の理解が必要不可欠といわれています。
今年度の講演会では、T-BOLAN 上野博文氏に高次脳機能障害を乗り越えてライブステージに復活した体験談と作業療法士 齋藤正洋氏に高次脳機能障害についてのお話しをしていただきます。
| 講師 | T-BOLAN 上野 博文氏 齋藤 正洋氏 東京都リハビリテーション病院 作業療法士 |
| 日時 | 12月7日(日)13:00~15:00 (12:30~開場・受付) |
| 会場 | タワーホール船堀 2階 瑞雲 東京都江戸川区船堀4-1-1 |
| 定員 | 200名 (事前予約、先着順。ウェブ配信はありません。) |
| 料金 | 無料 |
参加登録
プログラム
13:00 開会挨拶
13:05 江戸川区高次機能障害者支援事業案内
13:10 専門職講演「高次脳機能障害について」(講師:齋藤正洋氏)
13:50 休憩
14:10 当事者講演「復活のベーシスト」(講師:上野博文氏)
14:30 トークセッション
15:00 閉会挨拶 閉会
上野 博文 氏
T-BOLANのベースとして、1991年7月10日 シングル「悲しみが痛いよ」でメジャーデビュー。「離したくはない」「Bye For Now」「マリア」「じれったい愛」「すれ違いの純情」「刹那さを消せやしない/傷だらけを抱きしめて」「おさえきれないこの気持ち」といった大ヒット曲を中心としたCDのトータルセールスは、約1,700万枚を記録する1990年代を代表するロックバンド。バンドは1999年に解散したが、2014年に限定復活、2017年に完全復活を果たし、現在は47都道府県全てを回るラストツアーを敢行中。2017年の完全復活は、上野の『くも膜下出血』の発症に端を発することになる。2015年3月に上野は自宅で発症、意識を失った状態で発見されるまで5日が経過していた。その状態から手術を行い、主治医や家族、メンバーらの献身的な看病もあって奇跡的な回復を遂げたが、高次脳機能障害を発症する。T-BOLANのメンバーは「上野のリハビリの力や目標になれば?」と、2016年12月31日に一夜限りの再結成、カウントダウンライブを豊洲PITで行い、その場で「2017年、T-BOLANは再始動します!」とファンの前で発表。そして2017年夏、T-BOLANは完全復活を果たした。絶望的な状況から奇跡の復活を果たした上野は、いつからか『奇跡の男』と評されることに。2016年のカウントダウンライブから活動を復活、幾度かのツアーを経て2023~2024年に敢行されたT-BOLANのシングルスツアーでは、全曲ステージに立つというひとつの目標を上野は達成した。しかし、2025年7月初旬に肺ガンのステージ4であることがわかり、その治療と並行しながら現在はラストツアーのステージには立っている。その姿が多くのファンを勇気づけ『2度目の奇跡を起こす男』と呼ばれている。目標を強く持ち、奇跡を起こす上野博文。彼の活動を見守ってほしい。
齋藤 正洋 氏
平成6年4月 東京都リハビリテーション病院 作業療法科入職
平成20年4月 同院 地域リハビリテーション科へ移動
平成31年4月 同院 地域リハビリテーション科科長
入職時より高次脳機能障害者の支援に携わり、平成20年からは地域のリハビリテーション支援を中心に活動を行う。近年では、地域生活における高次脳機能障害者のリハビリテーションの質の向上と、関係機関等の連携の充実、高次脳機能障害の特性に対応した切れ目のないリハビリを提供できる体制の充実を図ることを目的として活動をしています。

