イタリア文化会館・板橋区役所挨拶

東京滞在4日目は、イタリア文化会館と板橋区役所を訪問しました!

まるで昨日のことのように、昨年のイタリア文化会館での公演が思い出されます。パオロ・カルヴェッティ館長とミケランジョロさんが私たちをあたたかく迎え入れてくださいました。
はじめに昨晩の台風直撃が話題になりましたが、安眠できない夜だったのにかかわらず「(台風直撃という)貴重な体験ができたから、イタリアに戻ったら皆に自慢できるかも!」という声に、場が賑わいました。イタリア流ともいうべきか、明るいほうへ発想転換できる心の豊かさを何気ない会話からも学びとれます。
一通りの打ち合わせの後、パオロ・カルヴェッティ館長が「来年の公演も上手くいくことに疑いはないよ!」と語ってくれました。みんなで創り上げる舞台。2020年が待ち遠しいですね。

午後は板橋区役所の文化・国際交流課へ。昨年は区役所ロビーにて精神保健に関連する日伊芸術作品の展示会が開催されました。なんと、2020年は板橋区とボローニャが友好都市交流協定を締結して15周年となる節目とのこと。区の関係者の方々も「祝いの年だからこそ、多くの区民へ観劇を促したい。」と話されました。

また、ガレッラ監督とドネガーニ先生が、公演の意義を熱心に伝えます。

とりわけ、印象的だったのは、

「社会的疎外を経験したことのある当事者が劇場に雇用されプロフェッショナルな役者として生計を立てていること自体が日本で生きる人々にインパクトや勇気を与えること」

「障害の有無によって演技や関わり方に差違はないが、共に舞台に立つことが、健常か否かという線引きを意味のないものにしていくこと」

という部分です。今回のオーディションでは各公演3名ずつ様々な背景や経験を持つ役者が選ばれます。もともと集団で表現することを最大の特徴とする演劇の有効性は、きっと、私たちの心を大きく揺さぶることでしょう。

 

明日からはいよいよ浜松に向かいます!
また新たな出会いと感動があることを楽しみにしています。

法人内部研修

昨日行われたオーディションの余韻を楽しみつつ、東京滞在3日目となりました。
オーディションのことが印象に残っているのか何度か話をされていました
3日目は、当法人の職員向けの研修でした。
東京ソテリアの職員だけでなく、ソテリアハウスに住むみなさんや地域活動支援センターはるえ野を利用している方々、ソテリアエンプロイメントで働いている方々、またそのご家族の方々、法人に興味を持ち関わって下さっているみなさんなど、多くの方が参加してくださいました。
会場からは、
「劇団員は、劇団の活動だけで生活できているのか」
「精神病院がなくて、大きな事件とかは起こっていないのか」
「地域や社会と対等な関係性ができているのか」
「偏見や差別は、まったくないのか」
・・・・・などなど
たくさんの質問があがりました。
お二人には、それぞれの質問に丁寧に答えていただき、みなさんの理解が深まる時間となりました。
今回の研修は、ドネガーニ先生から提案いただき、実現しました。ドネガーニ先生ありがとうございました!
今後も実際の現場に学んだことを活かしていけたらと思っています

アルテ・エ・サルーテ劇団オーディション@東京

東京会場でのオーディションが無事に終わりました。
一部と二部含めて50名ほどの方が参加されました。

オーディションのキックオフということもあり、独特の緊張感の中、第1部がスタートしました。

第1部では、まず最初に「ボローニャの精神保健について」を全体で共有しました。
その後、ガレッラ監督・ドネガーニ先生から「アルテ・エ・サルーテ劇団について」のお話があり、昨年の公演に参加したねてるさんからもお話がありました。
最後にショートフィルム「外に出るということ」の上映とドネガーニ先生の講演がありました。

印象に残ったこととして、ガレッラ監督がお話されていた
「アルテ・エ・サルーテは、バザーリア法の応用であること」
「多様性は豊かさ」
ドネガーニ先生の
「演じることや働くことを通して、精神病者・障害者から役者や労働者に変わっていく」
ねてるさんが昨年のアルテ・エ・サルーテ劇団に入り体験した
「演劇の中で自分の感情を抑え込むのではなく、自分の感情を遊ぶ」
ということが言葉がありました。
アルテ・エ・サルーテ劇団の魅力、演じることの魅力を聞くことができ、「自分も体験してみたい!」と会場の雰囲気が前のめりに変わったようにも感じました。

そして、いよいよ第2部のオーディション。
人生で一度あるかないか分からないオーディション。しかも、イタリア人とのやり取りということで、大きな緊張に包まれていました。
そんな中、順番に1人1人呼ばれていきました。

オーディションを待っている間には、2020年の再公演で使用する予定の旗をみんなで作りつつ、それぞれの想いを語り合いました。
語り合う中で、これからオーディションに向かう方に「行ってらっしゃい」、「頑張ってね」と励ます声。オーディションから帰ってきた方に「おかえりなさい」、「お疲れ様」と労い、迎え入れる声が自然と生まれていました。
最後には、今日集まったみんなで劇団を作ろう!という声も上がり、このオーディションだけでは終わらない関係となり、次の動きが生まれそうな雰囲気がありました。

オーディションの合格・不合格は、結果として出るものの、この場に参加して良かったと思われる素晴らしい体験になったのではないでしょうか。

アルテ・エ・サルーテ公演オーディション来日!

東京ソテリアでは、2018年にイタリアボローニャよりアルテ・エ・サルーテ(精神障害者がプロの俳優として演劇活動をおこなっている劇団)を招聘し、マラー/サド公演をおこないました。公演には多くの反響をいただき、2020年10月に再招聘再公演を決定しました。

2020年公演では、各公演に3名ずつの日本人が劇団員とともに公演に参加します。その参加者を決定するオーディションが、明日からいよいよスタートします!

東京⇒浜松⇒名古屋⇒大阪 と移動していきます。様子は毎日配信していく予定です。

オーディションという選び選ばれる場であるだけでなく、参加して良かった、そんな体験ができる楽しく繋がりの第一歩となる会にしたいと思っています。皆様、楽しみに見守ってくださいね!