啓発シンポジウム「あなたとともに、ヤングケアラーの子たちに時間をつくる」開催のお知らせ

本法人の事業につき、日頃よりご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、私たちは、赤い羽根福祉基金の助成により、精神疾患をもつ親とその子どもの「家族まるごと」支援の取り組みを行っています。このたび、その一環として、標記のとおり、ヤングケアラー(若年介護者・児)をテーマとしたシンポジウムを開催することとしました。

厚生労働省によると、全国の中学・高校生の約20 人にひとりは、大人の代わりに家事や介護といった家族の世話を担っています。彼ら彼女たちの向き合う困難とプレッシャーは計り知れなく、何より、その大きな貢献について、私たちは認める必要があると考えています。

シンポジウムでは、ヨーロッパで始まった「ヤングケアラーアクションデー」を記念し、イギリスからのご報告と、日本国内における先駆的な実践のご紹介をもとに、本年のテーマ「若い介護者に時間をつくる」ことについて、ともに考えてまいりたいと願っています。

つきましては、関係機関の皆さまにぜひともご参加を賜りたく、下記のとおりご案内申し上げます。

日時 2023年3月15日(水曜)18:00 から20:00
場所 会場集合(10人)こどもソテリア小石川
(東京都文京区小石川3-8-16)
オンラインzoomウェビナー
内容 はじめに
こどもソテリア小石川(子ども第三の居場所)
意見交換
「若い介護者に時間をつくる―ヨーロッパからの報告―」
イギリス・ロンドンCarers TRUST
「希望を届けよう―日本国内における実践―」
ぷるすあるは(コンテンツ制作とサイト運営)
「共同体のなかで―私たちの考えと行動―」
ケアラーパートナー木の根っこ(支援団体)
こどもソテリア(支援事業・障害福祉サービス)
東京ソテリア(江戸川区児童 相談所 ヤングケアラー コーディネーター事業受託)

お申し込み


参加フォーム

受付期間:2023年3月14日18時まで

ヤングケアラーアクションデー(YCAD)とは

ヤングケアラーとヤングアダルトケアラー(成年)の直面する課題について、社会の認識を高める日。ケアラーが充実した健康的な生活を送るうえで必要な支援を提供するために、おおくの行動を促す日でもあります。慈善団体のケアラーズトラスト(Carers Trust)によって2012年に開始され、さまざまな人々に参加を呼びかけ、イギリス国内のテレビやラジオなどでひろく報道されています。本年のテーマは、Make Time for Young Carers「ヤングケアラーの子たちに時間をつくろう」。ヤングケアラーたちは、健康とウェルビーイング(幸福)が最も重要で優先されるものと感じ、まわりの大人たちに、このようなことに行動してほしいと望んでいます。
●学校でのより良いサポート
●カウンセリングへのアクセスの改善
●ヤングケアラー自身の休息と余暇活動を増やす
●ヤングケアラーへの支援費とサービスの量を増やす
ヤングケアラーとその友人が、支援員や教員など、当事者と関わる専門職も、たとえ10分でも、彼らのために時間を割くことで、大きな変化が生まれると考えています。10分間でできるACTIONは
●友人と話す
●ポスターを貼る
●ソーシャルメディアに投稿
●政治家に連絡する、、、など。
当事者の話を聴き、必要としているサポートを理解してもらうことで、彼らの健康やウェルビーイングにポジティブな影響をもたらすようになるのです。(Carers TRUSTのHPより抜粋)

2023 年のシンポジスト

  • Carers TRUST(イギリス・ロンドン)
    ケアラーのための、ケアラーとともにある慈善団体。無報酬の介護者が重要視され、自分たちの生活を送るために必要な支援を受けられることを目的としたキャンペーンを行う。
  • ぷるすあるは
    絵本やウェブサイトなどのコンテンツ制作、普及啓発活動を通して精神障がいやこころの不調、発達障がいをかかえた親とその子どもを応援している。精神科の看護師と医師を中心としたプロジェクトチーム。
  • ケアラーパートナー木の根っこ(支援団体, 東京都江戸川区)
    ヤングケアラー・若者ケアラーへの支援を考える団体。啓発、研修活動、居場所づくりを行う。メンバーの多くは、在宅医療や福祉を担う専門職。
  • こどもソテリア「サンハウス」(赤い羽根事業)
    精神疾患のある親とその子どもとの家族まるごと支援事業を行う。
  • こどもソテリア「さんさんハウス」(障害福祉, 東京都新宿区)
    家族の病気や疲労などにより自宅で養育することが難しい場合に、障がいのある子どもに短期間入所をしてもらい、入浴や排泄、食事のほか、必要な身の回りの介助を行っている。
  • 東京ソテリア(江戸川区児童 相談所 ヤングケアラー コーディネーター事業受託)
    すべての子どもが心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるように家族等を援助し、ともに考え、問題を解決していく専門の相談機関。

こどもソテリア小石川「ぶんたね」(子ども第三の居場所プロジェクト)

2023年 3 月 1 日開設予定。文京区小石川住宅街 の 三階建て一軒家で、多世代交流カフェ、食事や学習のできる 子 どもの居場所、緊急ショートステイの受 け 入 れ を行います。ぶんたねは、地域の子どもたちが気軽に立ち寄れる場所。家族にも学校にもない、子どものための第三の居場所づくりを目指しています。東京ソテリアの地域精神保健での活動の経験から、精神疾患をもつご家族の子どもたちやヤングケアラーの子どもたちも 積極的に受け入れたいと考えています。

お問合せ

東京ソテリア事務局
Tel: 電話 03(5879)4970
Mail: kodomo@soteria.jp


「赤い羽根福祉基金」助成事業


230315-1

ぶんたね こどもソテリア小石川

子ども第三の居場所 ぶんたねってどんな場所?

「本当に、子どもに『第三の居場所』なんて必要なの?」とか「ぶんたねってどんな場所なの?」ってよく聞かれます。その時わたしは、「ぶんたねは、ドラえもんに出てくるのび太くんたちの【空き地】みたいな場所かな~」と答えています。

のび太くんは、学校ではなかなかうまくいかなくて、ゼロ点のテストを返されてばかりでした。でもきっと、そのたびにあの【空き地】に立ち寄って、ドカンの上に座って空を眺めたり、ドカンの中にゼロ点のテスト答案を隠したりしながら、気持ちを切り替えてなんとか、お家に帰ったんだろうと思います。のび太くんにはドラえもんという素晴らしい存在がいてくれたけれど、もしも、あの空き地がなかったら…?学校から、ゼロ点のテスト答案をもってそのままお家に帰らなくちゃいけなかったとしたら…?毎日、どれだけ気づまりな思いをしていたことでしょう。

だから、もしこの記事を読んでくれているあなたが、「ぶんたねってどんな場所なのかな~?」と疑問に思っていたら、どうぞあの【のび太くんの空き地】を思い出してください。きっと、そんなに間違った答えにはたどり着かないはずだから。

ぶんたねQ&A

「ヤングケアラーとかこどもの貧困とか、学校でもたくさん習ったし、ニュースでも見ました。そういう子もどこかには、いるんだろうな・・・。でも、ぼくは、まあ、きっとそういう子ではなくて、【ふつう】の家の【ふつう】の子どもです。病気の家族もいないし、ウチは貧困家庭でもないと思います。家に帰れば毎日ご飯は普通にあるし、夏休みには毎年、飛行機に乗って旅行に行くし、学校も塾もスイミング教室も時々嫌だけどがんばってまあまあ普通に行ってます。だから、特にこれといって困ってる子どもではないのですが、そういう僕でも【ぶんたね】には行っていいんですか?」(小6男子)
「もちろんです。のび太くんの空き地のことを思い出してみて。あの場所は、どんな子どもでも入っていいでしょう?同じように、特別な困りごとがいまないあなたのことも、ぶんたねは大歓迎ですよ」(ぶんたねスタッフ)


「小学生しか使えませんか?」(中1女子)
「いいえ。赤ちゃんから大きなお兄さんお姉さんまで、誰でも入れるし、誰でも遊んでいけますよ。そんなところも、のび太くんの空き地と同じです」(ぶんたねスタッフ)


「利用にあたって料金は本当にかからないのですか?どうして無料で使えるのでしょうか・・・」(小学生の母)
「無料でご利用いただけます。たくさんの地域の目で見守られて子どもたちが成長する場を創りたい、
という思いを日本財団さんと東京ソテリアとで共有し、無料でサービスを提供しています。
大人も一緒に利用できます。大人の食事代は300円いただいています。
いただいたお金は、食材費に充てさせていただきます。」(東京ソテリア)


「障がいのある子どもも利用できますか?」(未就学児の母)
「お子さまの特性によりますが、可能な限りご利用いただけるように体制を整えております。実際、神経発達症、精神遅滞、ダウン症といった障がいをお持ちのお子さまに、すでにご利用いただいております。どうぞご相談くださいね」(ぶんたねスタッフ)

ぶんたねのいちにち

平日

14:30 下校中の子どもたちが、外に設置してある無料麦茶を飲みに立ち寄りにきました。
一度お家に帰った子たちも、宿題をもって集まってきました。 1階の大きなテーブルにノートを広げて、おしゃべりしながらのんびり宿題に取り組みます。
「お家でやるよりも、気持ちが切り替わって集中できるから、ここでやるのが好き」「友達と一緒だったら、宿題をおわらせることができるから、いつもここでみんなでやることにしてるんだ」
毎週、ぶんたねを居場所にしてくれているお友だちがスタッフと一緒に来ました。スタッフはいつも、小学校の前までお迎えに行っています。道中もおしゃべりしたり遊んだりしながら、楽しく歩きました。
15:00 1階では子どもたちが宿題やオヤツで、めいめい自由に過ごしています。 手芸セットを持ってきた女の子たちもいます。今日はフェルトでオリジナルのマスコットを作るみたい!
2階・3階では地域の子どもたちが飛び跳ねて元気に遊んでいます。
16:00 1階に集まっていた子供たちはそれぞれ帰ったり、お稽古ごとに行ったりしました。
残った子どもたちは2階で漫画を読んだり、持ち込みのゲーム機で自由に遊んでくつろいでいます。
3階では、よく来る子どもたちが、スタッフとおうちごっこに夢中です。ママはいないけど、そのぶんのびのびして遊べるみたい。
16:30 3階のお友だち、お母さんがお迎えに来ておうちに帰りました。
残っていた子たちも、帰る時間を気にしている様子です。
「次いつ来るの?」なんて相談も聞こえてきます。

休日

11:00 近くの幼稚園にいっている子が、お母さんとぶんたねに到着しました。 お母さんは今日遠くに行く用事があるそうで、いったんここでバイバイです。お昼ごはんまでスタッフといっしょに、室内を探検しながら遊びます。
12:30 お昼ごはん 今日のメニューはカレーライスです。皮むきなど簡単な調理にぶんたねスタッフと挑戦して、みんなで一緒に食べました。 お腹がいっぱいになって少し緊張もほぐれたみたい。
13:00 窓際の、気持ちいいソファでお日様を浴びて、ごろごろくつろぎながらスタッフとおしゃべり。お家にない玩具で遊んだり 楽器を鳴らして遊んだりもします。
15:00 おやつタイム!お家から持ってきたクッキーをみんなで少し食べました
15:30 館内全体を使って、かくれんぼや宝探しゲーム!とっても楽しそう。
近所の小学生がふらっと立ち寄ってくれました。初めて会うけど、一緒にあそぶとあっという間に仲良しだね!
17:00 お迎えで帰宅

ぶんたねでできること

  • 居場所としての利用(子どもだけですごすのもOK!ぶんたねスタッフたちが柔らかくふんわりと見守る中で、ママがいなくてもみんな安心して過ごしています)
  • ごはん、おやつを食べること(持ち込みOKです。提供もしております)
  • 送迎(近隣小学校や、放デイまでのお迎え。面談、所定の登録手続きが必要です)
  • 工作あそび
  • 宿題

ご利用者様の声

  • 不定期の主に日曜日にお邪魔させて頂いています。時々クッキングに参加させて頂き時間を過ごさせて頂いています。自宅で手が回らない分の宿題を少しでも済ませて帰ってくるので助かりました。楽しみが出来たようで私も気持ちのゆとりが出来ました。(小石川太郎さん・小学校高学年の保護者)
  • 週末、どうしても両親ともに不在にしなければならず、まだひとりで留守番ができない年齢の子どもたちの預け先がなくて困り果てていました。小学生と未就学の子どもを同時に預かってくれる場所がどこにもなかったんです。ぶんたねに相談したところ、同時に2人を預かってくれると伺い、大変助かりました。お昼ご飯も食べさせてもらい、本人たちもとても楽しかったようです。(パンダぱんさん・小学校低学年・未就学児の保護者)
  • 週1で小学校までぶんたねスタッフさんに迎えに来てもらっています。学校からの帰り道、ぶんたねスタッフさんと歩くことで、いつも(母)と違う特別感があるらしく毎回楽しみにしています。利用を始めてから、親の心に少しゆとりができ、他兄弟と関わる時間を増やす事ができました。(まめままさん・小学校高学年の保護者)

チラシ(PDF)

ヤングケアラーへの気付きを深めるシンポジウム 「精神疾患のある親とその子どもとの家族まるごとおつきあい in 東京・四谷 ―親、親の支援者、子どもにかかわる人、地域の皆さまに向けたガイダンス―」

 

日時 2022年11月6日(日)13:30~15:30
場所 四谷地域センター多目的ホール または オンライン(zoom)
参加費 無料

この度当法人では、広く区民の方々を対象に、赤い羽根福祉基金の助成のもとヤングケアラーへの気づきを深めるシンポジウムを開催することといたしました。
当日は、松本俊彦先生をお迎えし「依存症をもつ親と暮らす子ども」についてご講演いただき、新宿区内で子どもたちの育ちを支える方々からの意見交換ができたらと予定をしております。
お申し込みは、以下の参加申込フォームからお願いします。

参加申込

申し込みは終了しています。ありがとうございました。

チラシ

『高次脳機能障害を知る、共に支えあう―ピアサポートの可能性—』

日時 2022年12月11日(日)13時00分~15時30分
(12時30分開場・受付)
場所 タワーホール船堀「桃源」又は
オンライン(ZOOMウェビナー)
定員 400人(会場100人・オンライン300人)

令和4年度江戸川区高次脳機能障害普及啓発講演会では、専門医による基調講演と当事者によるシンポジウムを実施します。【手話通訳あり/要約・要点筆記あり】

高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気や事故などで、脳の一部が損傷を受けた時、身体のまひや視聴覚の障害とは別に、思考・記憶・行為・言語・注意などの、脳の高度で複雑な機能が低下した状態をいいます。これらの後遺症は、重複していることが多く症状の重なり方によって一人ひとり障害の状態は異なります。また、症状は慣れた環境や作業においては軽減し疲労してくると増大するなど、時間や状況により著しく変化します。そのため、高次脳機能障害を持つ人のための環境調整や周囲の障害理解が必要不可欠といわれています。

今回は、長年にわたり、高次脳機能障害を持つ方と共に生きる為の地域基盤を作り続けてこられた長谷川幹医師による基調講演を行います。そして近年、高次脳機能障害者同士で支えあうことの重要性が語られ始めていることから、後半のシンポジウムでは既につながりあいピアサポート活動を実践している当事者たちの声を届けます。

高次脳機能障害について学び、「ピアサポート」の魅力を知ることで、当事者と共に活動し、共に働くことについて考えてみませんか?

申込み

参加申し込みフォーム

スケジュール

12時30分  開場・受付
13時00分  開会挨拶
13時10分  基調講演(講師:長谷川 幹医師)
14時15分  休憩
14時30分  シンポジウム「ピアサポートの可能性」
(登壇:大籔 清二氏、北島 麻衣子氏、清水 純子氏、原口 麻起氏)
15時30分  終演

登壇者紹介

基調講演
長谷川 幹 医師(世田谷公園前クリニック 名誉院長)

シンポジウム
大籔 清二氏・原口 麻起氏(失語症と仕事を考える会 あゆむ会(新宿))
北島 麻衣子氏(かけはしプロジェクト Lady&Mamサークル)
清水 純子氏 (江戸川区高次脳機能障害の子どもと家族のピアサークル)

主催

江戸川区、東京ソテリア

問い合わせ先

地域活動支援センターはるえ野 (担当:長谷川・松本)
info@soteria.jp