地域活動

さて、今日は、
「精神科病院のない国」
→「共同組合員のある国」イタリアの
【地域活動】がどうなっているのか?
の視察の日、
でした。
具体的には、僕たちは、
①イルファッロ → 雑誌を作っている
②イェーサ(サポートファミリーサービス) → 精神疾患を持った人に、「一般の」人の家での暮らしを提供するサービス
③アルテサルーテ(劇団)
の3ヶ所を回りました。
……
①イルファッロ → 雑誌を作っている
は、10年前に創刊され、
現在は、1000部!発行されている雑誌。
「ファッロ」は、「灯台」を意味している。
代表のファビオが、奥さまと発案。
「書くことがリカバリーに繋がる!」という発見が、彼らの原点にあったそうです。
一度は、「もう続けられない」思ったこともあったよう……。でも、「もう一度!」とリカバリー。
活動自体にも、「リカバリー」があったというのが印象的。
現在は、ボローニャ以外の地域からの「投稿」も
ある、とのことです。
……
②イェーサ(サポートファミリーサービス) → 精神疾患を持った人に、「一般の」人の家での暮らしを提供するサービス
これは、すごい!
住まいの場の提供なのですが、
「さて、あなたは、精神の病を得たときに、どこで暮らしたいと思いますか?」
1、自分の家族の家
2、病院
3、グループホーム
4、友だちの家
5、一人暮らし
イェーサは、「サポートファミリーの家」で暮らすための仕組みです。
「人は、病院ではなく、「社会」で暮らすのがよい」
と考えたイタリアの人たちは、
(専門職と暮らすための仕組みではなく)
一般の人たちと当事者の人が暮らすための仕組みを作りました。
それが、イェーサ。
ビデオでも見させて頂きましたが、
ほんと、ごくごく普通の家が、精神疾患を持った人が受け入れて、生活をしていました。
そして、そこにかかる費用を、自治体が賄う。
困りごとがあったら、専門職がサポートする。
ボローニャ発祥のサービスだそうです。
(いっぱい書きたい!ですが、詳しくは、また報告書で!!)
……
③アルテサルーテ(劇団)
今回のツアー、僕のおっきなミッションは、
この劇団に入ること!
だったのですが、、
さて、
アルテサルーテは、
10年の歴史を持つ「劇団」です。
建物の中に入っていくと……
ほんと、「俳優」と「監督」が、
とっても「ウェルカム」に迎えてくれました。
そして、、
監督の想い、
俳優のみなさんの想い、
たくさんたくさん聞きました。
「ウェルカム感が、はんばなかった」
「素敵な劇団を見に行った、という思いになった」
というのは、今回のツアー参加者たちからの声。
ほんと、そうなんですよね、
「アルテサルーテ」。
かっこいい「劇団」なんです。
ここ数年、1500の講演をやっているんだけれども、
休んだことは一度もなく、、一度あるんだけれども、それは、ミラノでの話。
客演の俳優さんが、病気になり、休演になったけれども、
アルテサルーテの人が体調を崩して、休演はないとのこと。
たとえ講演が終わってから、病院に行くことになっても、舞台には立っているそうです!
「お客さんが喜んでくれるのが、嬉しいんだよ」
笑顔で語る姿が印象的でした。
そして、僕も仲間に入れて下さい。
「いいですよ」
を、頂きました。
いつか、来日講演をやってみたいと思っています。
増川ねてる

福祉・就労

【福祉・就労】がテーマの10月11日。

僕たちは、
精神保健センターで、
①【ボローニャでのIPS】の取り組みを聞き、
②【社会的協同組合】アグリベルデに行き、
③【社会的協同組合】マルチンペスカトーレの
→「デイケアセンター」カーザレッキオに行き
→「A型とB型の社会的協同組合」に行き、
④【デイケアセンター】タッソに行きました!
つまりは、つまり、
今日も沢山のところに視察に行ったわけですが、
印象に残っているのは、
各団体、各施設の人たちが、とってもあたたかく僕たちを迎えてくれて、
「これも、みていって」
「あれも、みていって」
と勧めてくれていたことです。
日本から来た僕たちに、本当に丁寧に、
見させてくれていたのです。
(その人たちの顔が、忘れられません……)
……
で、
何をみたのか?
僕が「そうだったのか!」と思ったのは、
サポートのその先には、
「社会」があるということです。
A型で慣れてきたら、
B型へ
(A、Bが、日本とは反対?で、
A型がリハビリテーション
B型が就労なんです、ざっくりと言えば)
という流れがある
とか、
デイケアセンターでも、
サービスは、個人によってのオーダーメイドなサービスで、
デイケアセンターメンバーになると「家族になる」んだけれども、
「家族だから、いつかは旅立っていかなければいけないのです」
とか、
IPSで、
支援者はバックにいて、
本人がする、ということをサポートしているんですよ
とか、
常に「社会へ向けて」その流れのプロセスをしっかりと捉えて、
今はこれ、
今はこれ、
と、やっているのが、
ほんと!
なるほど!! でした。
……
道筋を考えて、
「今はどこ?」をきちんと本人も、支援者もわかっている!!
それが、ほんと、いいな
って思いました。
そして、
これが、
「継続的な支援」ということか、
と思い、
イタリアで精神科病院をなくしてから作ってきた、
「連携すること」
が、あってこその達成なんだな、
と、思いました。
……
ひるがえって、日本。
どこまで、
「連携が作れているか」
「途切れさせない、プログラムが作成されているか」
が、考えるポイントと思います。
そして、
そのプログラムは、
「当事者中心で」
必要に合わせた、オーダーメイドで!!
ねてる

世界精神保健デー

今日は、この国イタリアの、
【文化】というものに浸かる日だったと思います。
先ず僕たちは、
「ボローニャ精神保健局」に行き、
フィオレッティ局長と話をしました。
僕が印象に残っているのは、このシーン!
…………
「イタリアは、
他の国の精神医療とは違う独特な発展をしました。
イタリアは、かつて、第二次世界大戦でよくないことをしました。
《思想が違う人》を精神病院に収容し、
敵国と戦いました。
でも、戦争に負けて、、
もちろん、
精神病院に収容されていた人たちは、
解放されました。
私たちは、《反省しなければいけなかったのです》。
精神病院は、「負のイメージ」がついていました。
ですので、
市民の間から、上がって言ったのは、
「倫理」の声と……そして、
「政治」の声がありました。
そして、精神病院は閉鎖されたのです。
この運命は、
他の国に比べて、特殊なものだったと思います。
…………
イタリアが精神病院を廃止にしていったのは、
「1970年代当時の社会の色が出ている」
と聞いていましたが、
上のような事情があったというのは、知りませんでした。
そして、
1978年に精神病院を廃止すると、すぐに次の手を打っていった。
そして、40年がたち、
…………
「私たちは、「連携する」ということをやって来ました」
と、いい、
その連携を、そして、「社会を、文化を、作る」
ということを話して貰いました。
テクニックを発展させる道ではなく、
社会の中で「協同する」ということを発展させてきた。
…………
さて、
僕たちは、どうするのか?
どうしたいのか?
考えるおっきなきっかけを改めて得た時間でした。
…………
…………
それから、午後、
ツアーは、2班に分かれます。
→REMS(蝕法関連の治療・居住施設)
→ボローニャ大学精神医学教室
に。
…………
そして、
夕方~夜は、
【世界精神保健デー】の祝典へ。
…………
午後と夕方の話は、
またいつかすることになると思いますが、
本日の記録は、一先ずここまで。
いずれにしても、
いずれにしても、
「個々のテクニックを発達させる」道ではなく、
「社会の中での連携を模索していく」道を歩んだイタリア。
とかく、専門的に特化されていく傾向にある日本が、今、何かの限界を感じているとするのなら、
社会の中での連携
ということに、
何かのこの閉塞感を打開する方向があるって、
僕は、強く、強く思った次第です。
読んで下さり、ありがとう。

治療ネットワーク

始まりました!

今日は、テーマを、
【治療ネットワーク】として、
9時~18時30分までの視察でした。
訪れた先は、
①SPDC(診断と治療のための精神医療サービス)
②CSM(精神保健センター)
③SERT(薬物依存症サービス)
④サイコラジオ
「精神科病院のないイタリア」で、
精神症状を持ったときに、どう「治療」を受けるのだろうか?
疑問に思う方、いるかと思いますが、
それを見てきました!
先ずは、
①SPDC(診断と治療のための精神医療サービス)
これが、総合病院の中にあります。
ここは、「救急の外来」を持ち、
精神科の治療のための「入院のベッド」を持っています。
ただ、外来はない!
ポイントは、ここが「総合病院」だということ。
そして、「強制的な関わり(服薬に関しても)」をしないということ。
入院患者さん15~18人に対して、
精神科医6人、看護師22人で対応しているということ、
入院日数は、15日ということでした。
そして、そこには、「外来はない」。
では、
退院したらどうなるか?
というと、
②CSM(精神保健センター)
です。
ここには、「外来がある」
でも、「ベッドはない」。
ポイントは、ここは、「地域の中の医療現場」ということ。
だから、「医師も、白衣を着ていない」。
フラットな関係で、治療を行う場所、とのことでした。
そして、
この【総合病院の中で、入院治療が出来る場所】と、
【地域の中で、外来治療を行う場所】が、
1978年のバッザーリア法成立と共に出来たとのことでした。
いずれも、
「人が中心」というのを強く感じました。
つまり、「人によって」プログラムを個別に立てて、その人に必要なプログラムを作るのだそうです。
そして、
「強制は、いかなる時にもやらない。
それは、意味がないから」
とのこでした。
そして、この
「強制は、いかなる時にもやらない。
それは、意味がないから」は、
精神疾患の人の治療施設だけでなく、
③SERT(薬物依存症サービス)
でも、同じ。
特に薬物は「本人がやめよう」と思わないとやめられない、
だから、意思を持って、外来に来た人でないと受付られない、とのことでした。
「やめることを支援する」のではなく
「減らすことを支援降る」「本人の幸福を支援する」とのこでした。
あとは、「二次罹患」を避ける、ということ。
そして、ここでも、「白衣はありませんでした」
「地域ですから!」
とのことでした。
そして、
社会にあるスティグマを解除するためにも、
④サイコラジオ
メンバーとスタッフで番組を作り、
全国の大きなラジオ局で仲和して貰っているとのことでした。
……
いずれにしても、ポイントは、
「地域で!」
ということだと思いました。
……
写真は、「総合病院の中に、精神のベッドはある!」
だと、思いました
ねてる