ボローニャ便り 11月8日

皆さん、こんにちは。

Nです。

11月2日に無事イタリアに到着して、今週の月曜日からエータベータにお世話になっています。

聞きたいことや学びたいことを伝えて、少しずつ料理の勉強をしています。

こちらの野菜は味がとても濃く、とても美味しいですが環境や食べ物の変化にお腹がびっくりして、なかなか調子が元に戻らなくて困っています(^^;;

先週はエータベータでカルボナーラの調理の仕方を学びました。

以前学んだカルボナーラのレシピは卵の数が少なかった為、その調整をするために牛乳や卵白を使用していたそうです。

ですが、イタリアの王道的なレシピでは卵は卵黄のみ。牛乳は使わないでカルボナーラを作ります。チーズも少量です。

そして、カルボナーラという名前の由来はcarbone(カルボーネ)=”炭“から来ており、胡椒をたくさん入れます。

この機会に、カルボナーラに合う麺の事も聞いてみました。

カフェでカルボナーラの麺をタリアテッレ麺でやっていましたが、基本的にタリアテッレ麺とは相性が良くないそうです。

その理由としてまず1つ目に、タリアテッレやカヴァテッリなどの手作りのパスタは水分(ソース)をよく吸収してしまうので、水分のあるソースとの相性が良いです。

カルボナーラのソースは水分を含んでいないので、普通の乾麺のスパゲティを使う方が王道なのだそうです。

2つ目の理由は、タリアテッレ麺は卵を使っておりソースにも卵を含んでいる為、卵と卵の組み合わせは合わないそうです。

なので、カルボナーラは基本的に普通の乾麺のスパゲティを用いて作るのがベストだと学びました。

レシピはメモを残しているので、清書して別途送りたいと思います。

もしレシピに関する質問があれば、11月の滞在中であればエータベータに直接聞くことが出来るので、ご連絡ください。

以上、よろしくお願い致します。

Nより

 

ボローニャ便り 11月7日

11月就労3日目。8時40分頃到着。朝の日課は、皆でエスプレッソコーヒーを飲み仕事を始める準備をすること。そして、9時からミーテイング。今日は、一週間に一度の調理場の大掃除を行う日。調理場で重要な事は、衛生管理。どうして整理、掃除が必要かということをジョバンナさんが具体的に皆に説明する。分担をし、掃除開始。作業を行うにあたり、見守りが必要なメンバーもいるので、最初は特に見届ける。しばらくして、ジョバンナさんが、Nさんの新しい調理着と靴を購入しにNさんと私を専門店へ連れて行って下さった。イタリア側のメンバーの状況を共有。個々への理解とサポートが手厚い。チュタ―として働くメンバーの一人は、農園で収穫された大きなカボチャを使いクッキー作り、商品化をしている。

後半は、昨日、パーフェクトには作れなかったカルボナーラを調理。今日は、手順通りに出来たのに、麺が少しパサパサしている。まだ改善が必要。

皆で昼食をとり、後片づけをした後、以前、習得したティジェッレ(モデナを中心としたエミリア・ロマーニャ州の伝統的なパン)のレシピを再確認。

帰宅後、聖ペトローニオ教会の屋上へ昇ってみる。中世からの赤レンガの建物が続くボローニャの街が夕日に照らされている。散歩しながら、ナッザレーレ社会的協同組合が運営するインテリア、アクセサリー製品の素敵なショップを訪問。ここでもボローニャ精神保健局の利用者が就労をしている。

 

『生きているうちに少なくとも一度はボローニャでやるべき101のこと』というタイトルのガイドブックを書店で見つけた。ボローニャでやるべきことは、沢山ある。

ボローニャ便り 11月6日

11月就労2日目。今日のスケジュールは、農園から収穫された新鮮な野菜(ビート)を入れたボローニャ名物である卵入りのパスタ生地、そして、カルボナーラを作りです。ジョバンナさんが一人一人のメンバーをとても親切に指導。また、昨年度からこの就労プロジェクトへ参加しているイタリア側のメンバー(精神保健局利用者)は、現在、チュタ―(ティーチング・アシスタント)として、新しいメンバーの調理の技術面をサポートするまでに成長しており、まさしくこの就労プロジェクトの大きな実りとなっています。

仕事に集中出来ない、チームワークが作れないといった問題がメンバー個々に発生した時、スタッフの介入の基礎になるのは、本人の話をよく聞くこと。構築された関係性の中で、語り、聞き合う場面が時間の自然の流れと共にあるのが、エータベータという一つの社会的協同組合の大きな特徴であり、今日もそんな場面がありました。

今日のカルボナーラ作りでは、パスタをフライパンへ入れるタイミング、混ぜ方を失敗。パーフェクトに学ぶ為に“明日、もう一度、作ってみましょう。”という事になりました。わからないことがあれば、直ぐに確認し、確認し合える環境は、日本から来たばかりのNさんにとっても安心し、学び働ける環境です。

 

 

夕方は、ドネガーニ先生(ボローニャ精神保健元局長)と共にボローニャ市庁舎にて開幕した“ボローニャの記録-68年の痕跡”展を見学。この展覧会は、1968年にボローニャで起きた様々な社会運動(学生、労働者、女性運動など)の記録をテーマ別に展示。“精神医学”の改革運動をテーマにしたセクションもあり、現在のボローニャ精神保健局の建物が公立ロンカーティ精神病院だった時代の運動が紹介されています。その中には、1967年、フランコ・バザーリアがロンカーティ精神病院の院長選出へ志願、しかし、彼の“反施設化”の立場、また哲学的な思考が問題視され、院長には、選出されなかった事実を示す貴重な資料なども展示されています。

展示見学後は、聖ステファノ教会近くのバールへ。“人は、いつから、病人と呼ばれるようになるのか? 一度、精神障害の病名がついてしまったら、その人は、ずっと病気なのですか?”という質問がNさんからあり、ドネガーニ先生に答えて頂き、いろいろなことを共に考える時間がゆったりと流れました。

ボローニャ便り 11月5日

2017年5月より、東京ソテリア、ボローニャ精神保健局、エータベータ社会的協同組合との連携による日本・イタリア共同就労支援プロジェクトの2018年11月期が本日よりスタートしました。

今回、就労継続支援事A型業所ソテリアエンプロイメントのメンバーで、このプロジェクトの為に渡伊したNさんと支援員である私は、ボローニャ中心街にあるアパートで共同生活を送りながら、この一か月間、エータベータ社会的協同組合(http://www.etabeta.coop/)にて、調理を学びながら、イタリアのメンバーと共に協働していきます。

エータベータでの就業は、朝の9時より。Nさんにとって、エータベータでの就業初日は、まずは、自己紹介から。イタリア側のメンバーは、このプロジェクトの責任者でもあるエータベータ副代表のジョバンナさん、17年もエータベータに勤める愛情深く、パスタ打ちの名人ロザンナさん、ボローニャ精神保健局の利用者5名です。そして、プロ仕様の調理場、有機栽培による巨大な農園、イベントスペース、木工やガラス工房を見学。その後は、ジョバンナさんとNさんと共にこの一か月の間、エータベータでの学ぶべき課題やスケジュールを確認。調理技術習得のみならず、日本と異なる中でのコミュニケーションの大切さについての話し合いもしました。

後半の時間では、早速、イタリア側のメンバーと共に作業。農園で収穫された野菜(ビート)の入った手打ちパスタ (ストロッツァプレーティ)を作り。気候や様々な条件が異なるイタリアと日本間で、エータベータで学んだレシピを日本の現場で調理へ携わっているソテリアエンプロイメントのメンバーへ伝えていくという課題は、Nさんにとって今回、大きな任務となっていきますが、彼女の初日の感想は、“エータベータがプロフェッショナルな就労の場であり、尚且つ、皆が楽しく働ける場所であること”。感覚や経験が求められる調理技術を限られた時間の中でいかに伝えていくかということは、エータベータ側にとっても決して簡単なことではありませんが、メンバー全体と個々のバランスをとりながらプロフェッショナルを育てていく大きな配慮がそこには、存在しています。ボローニャでの社会的協同組合での就労、そして、日常の生活を通しての大きな学びへの期待に満ちた日となりました。