【10月4日】ドネガーニ先生の各地での講演

アルテエサルーテ招聘の先立ちまして

9月27日より前倒しで来日されたドネガーニ先生の全国講演ツアーが本日無事に終了しました。

福島⇒福井⇒(広島は今回残念でしたがぜひまた今後!)⇒鹿児島⇒千葉

とまわるスケジュール。

各地ではドネガーニ先生を囲んでの熱い議論が交わされていました。

 

私自身はこの講演ツアーには同行していなかったので、東京で各地の様子を聞いていました。

「今を変えようという熱意にあふれた方にたくさん会った」

ドネガーニ先生はそう話されていました。

 

講演だけでなく、各地のみなさんとの交流そのもの、

そして実際の現場の視察、多くのことをとおしてドネガーニ先生が感じた「熱意」。

「それがあれば「今」を変えられる」と。

 

イタリアの方々とこれまでもいろんな企画をしてきた中で私が毎回感じることは

その場その場を楽しもうとする姿勢、

緊急事態に強い、

臨機応変さが新しい展開を生む、

ということ。その場に必要とされていることを察知して、それにあわせて動くことは

時間通り予定通り動くことより重要なのかもしれない・・・(それはそうなのですが、それがなかなかできにくい日本の社会、そして自分自身に気づくのです・・)

 

いよいよ5日(金)には関空にフィオレッティ局長とナンニガレッラ監督が到着します。劇団員は7日(日)にセントレア着です。

以降、できるだけ毎日、この企画の動向を追えるよう、ブログをアップするつもりです。

 

今回、アルテエサルーテの劇には当法人の増川ねてるも出演します。

なんとねてるさんは役ももらったとか・・・!!

前のブログにもあるように、ねてるさんはこの稽古のこともあり

9月にボローニャに行っていました。

ねてるさんがプレゼントしたダルマには、出発前に劇団員たちが「目」を入れたそうです。

「公演が成功しますように・・・」

 

今回招聘にあたり、私が一番やり取りをしたルチアは日本には来ません。

24人という大きな人数の招聘ですが、

その裏にはもっともっと多くの方お力添えがあり、「思い」があり、

この企画がスタートしようとしていることを感じています。

ご期待を・・・   (東京ソテリア 塚本さやか)

【9月18日】ETA BETA 

【9月18日】ETA BETA

 

さて、

いよいよ“明日”帰国となりました。

とは言え、研修は、修行は、明日もあるので「最終日」終えました。とはなりません!

 

そして、今日はクタクタ…

それは、今日の研修で、というよりは荷造りで。

そして、思うのは、「一カ月」暮らしをするということは、これは結構大変なことなんだということです。こちらに来たばかりの頃は、「一カ月ある」だったのですが、経ってみると「もう一カ月!」。

暮らしの場所を変えるっていうことの大きさを、感じています。

(そう考えると、精神科って入院が1カ月だったり、3カ月だったり、、…数年だったりしていますが、この“住まいが変わること”の大変さという観点でてると…それは、その人に大きな影響を与える…って当たり前だな…って思います。疲れが出て当然だな、と)

 

・・・

 

そして今朝ですが、

今朝は、学生ボランティアの方と一緒の通勤だったのですが…油断しました。バス停。目の前にバスが来て、「これだね」なんて話をして、僕は、カバンから定期券を取り出して…いたら、バスが行ってしまった!(ぎりぎりよりも、一本早いバスに乗っているんで遅刻ではなく、その意味では安心していたのですが…) バスは、さっと扉を閉めると行ってしまったのです…

完全に油断していました。

そして、そうなると一人の時は緊張して、神経張っているんだな…それが、サポートがあるって思うと、緊張緩むな…そして、やっぱり疲れも出てきているな…と思いました。

(そして、乗ったバスに、ETA BETAの方が乗って来られたので、安心しましたが…)

 

と、みていくと、「やっぱり、一人じゃない」ということ、「サポートがある」ということ、特に「コミュニケーションに関してのサポートがある」ということは、ほんと人を安心させるものなんだなって思います。ボローニャマラソン走った時も思ったのですが、

「コミュニケーションがある」ということは、ほんと、気持ちを楽にさせてくれますね!

 

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そして、ETA BETA。

今日からまた新しい研修生が来ていました。そして、いつもの人がいなかった… そんな風にして、また新鮮な日が始まりました。

今日は、3種類の生地を作るとのこと。

そして、卵は使わない…

 

また、新しいことが始まります。

ボローニャのパスタと言えば、卵入り! というイメージが出来ていましたが、卵が入らない生地。作ってみると、、、最初は違いが判りませんでした。が、生地を寝かせてから延ばすとき…いつもと違う感触。

「手にくっつくから気を付けて」

手に(いつもより)くっつくのです。でも、なんだか楽しそう。そして、僕たちも、楽しく作業をしていたと思います。先輩の同僚からは、

「ここは、小麦粉をたして」

とか、アドバイスを貰いながら、進めてく。

 

そして、時間を進めて…記事をカットしていったのですが、

見本はあるのですが、結構みんな、それぞれの大きさで。

これ、焼くときにお塩をふるのですが、それも均一という感じではなく(でも、特に意識して不均等にしている訳ではないのです…)、それそれなのです。

が、焼き上がりを食べてみると…

 

これが、おいしい。

 

みんな同じ形。

みんな同じ塩加減。

 

それが、いいって(…ましてや、商品ならば)思っていましたが、

これはこれでアリだな。違いがあるから、飽きが来ないし(…それはもしかしたら、「フルーツを食べるときの喜び」にも似ていて、次はどんなだろう?次はどう?って、食べる楽しみもあって)。

(焼き上がったのは、塩味のビスケットのようなものでした)

 

それぞれが、

 

違った形、

違う塩加減。

 

それが、ほんと楽しいし、

また一つ、また一つって手が出る僕がいました。

そして、これは、これこそが「手作りのよさ」ってことなのかもな…

そこで僕はボランティアの方に聴いたのですが…

 

「おいしいけれども、これ日本で売れるかな?」

 

学生さんも、

「どうでしょう…?」

と。

 

大切なのは、物語を共有することなのかな…

あるいは、

前にも書いた、

キャンプの食事が美味しいのはなぜなのか?

想いを込めて作られた食事が美味しいのはなぜなのか?

 

そこに、「おいしい料理」のヒントがあるって、

最終日前日にまた、たどり着きました。

 

…きっと、計りや、時計で計れない何かがあるんです。

 

 

増川ねてる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【9月13日】ボローニャ修行の9日目

【9月13日】ボローニャ修行の9日目(ラザニア作り)

 

今朝は、日本の学生ボランティアさん(2人)とのETA BETA。僕がバス停につくと、栗原さんが学生さん2人と話をしていました。そして、僕も挨拶をして、バスに乗ります。そして、

ああ、この景色だったな、僕が最初に「道を覚えよう!」って思って意識して覚えることをしたのは…。

「この高架が目印で」

「あの大きなビルが見えてくると、ちょっと意識した方がいいんです」

そんなことを伝えていきました。

 

そして、ETA BETAについて、朝の挨拶が始まると… ETA BETAの方からも、新しい人が入って来まして…と紹介があり…

いつもよりも3人多い中でのミーティングの始まりです。

それを丁寧にやっていくのが印象的。

そして、やることが決まったら、そっちにすぐに切り替わるのも、印象的。

僕は、スフォッリャという生地作り。新しい研修生も一緒になっての生地作り。…だいぶ覚えてきたものの、

「手の感覚で覚えるんだよ」

というところにはまだいってなく、「これでいいですか?」「うーん、少し水を足しましょう」

 

そして、生地を作ると、寝かしましょう。

「僕も、少し寝てきます」

 

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そして、少し置いた生地を延ばして…

 

次はベシャメラソースです。

これも、「これは、ねてるがやってね」ということで張り切ります。そして、これもまた、

「よくみてね。この感じ」

すこしずつ“デジタル”な思考から、“アナログ”な思考になってきている僕がいます。デジタル思考を止めてみると、最初は不安だったのですが…次第に世界が新鮮に見えてきています。「こんなにソースが固くなってきたか」「うん、ちょっとサーレが足りないな」

 

そして、ラザニアように生地をカットしたら、茹でる時間です。そして、茹で終えたらいよいよラザニアの成形。器にバターを塗って、パン粉を敷いて、生地おいて。ベシャメラソース、ラグーのソース、パルミジャーノ。生地おいて、ベシャメラソース、ラグー、パルミジャーノ…少しずつラザニアが出来てきます。

 

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そして、

この日は、ETA BETA代表のジョアンさん、キッチンの責任者のジョバンナさんとの振り返り。

 

「大切なことは、一人ひとりが自分自身に気づいて、自分を成熟させていくこと」

「ここでは、一人一人がその人として育つためのサポートをしています。なので、お互いに支え合うことが大切。職員は、最初やることを伝えたら、あとは見守るだけです。なので、職員の数もそんなに多くはありません」

「ここで育った人。その人たちは、みんな“違う個性”の人として、成長していきました。それが、大切なことなのです。全体として、沢山の可能性がここに現れるのですから」

 

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それから、ラザニアを食べて、アルテサルーテ劇団へ。

 

時間は、いつもよりも40分位遅くなっていました。そして、僕は、「すみません、やっぱり仮眠が必要です。少し、遅れていってもいいですかね?」

「よいと思いますよ。15分遅れていきましょう」

 

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劇場に到着すると、舞台の人と挨拶したり…昨日と違う会場なので送っていくよ。「ありがとう」

昨日までも、人が集まったら始まる式だから、少し遅れても、これがイタリア流…

 

って、思っていたら違っていました。

 

「ねてる、ねてるは、ほんと時間がないのだから遅れてきたらダメだよ」

(…と言われたのだと、思います)

 

そこで、思ったのは、

全体として、時間遅くなってもよい…とか、そういうことではない(人によってそれは違うし、時期によっても勿論ちがう…)っていうことを、

あらためて、思いました。

 

イタリア人は、ゆっくりしている…

って、ことはないな…と。でも、おそらくなのですが「寛容」という価値観はあって…その日は欠席の人がいたり(理由はわかりませんし、連絡もあったのかも知れません)、遅れてくる人もいましたが、僕がついて少しするとすぐに練習スタート。…なので、ほんと、ここは僕が遅れてはいけないところだった(そして、それは全体のためということもあるのでしょうが、それ以上に僕のためを思ってくれるのが、とてもよくわかり…ほんと、「個人の成長」を考えている“文化”なのだなと、僕は思いました)。

 

そして、ここは日本公演のお楽しみなので詳しくは書きませんが、台本にないアイデアが挿入されて…そして、その時の監督と担当の俳優さんの目のキラキラしていること!

そして、「これはどうなんだ?」って僕に聴くときの、ほんと“学びたい”という時の、“知らないところから聴く”感じ。その時の、知っている者への敬意のまなざし。

とっても、とっても、印象的でした。

 

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そして、熱い打ち合わせがあって、その日は終了。

 

僕も、少し劇場で横になり…

「ねてるさーん、どこですか?」という栗原さんの声で目覚めて起きて。

 

疲れが出来てきている…

でも、充実感も確かにある…

二週間が終わった一日でした。

 

 

◆ラザニア

◆劇団公演

 

乞う、ご期待!!

 

 

増川ねてる

【9月12日】ボローニャ修行の8日目

【9月12日】ボローニャ修行の8日目(トマトソース作り)

 

今日は、やることがとっても沢山の日でした。

 

アルテサルーテで、練習の後に「打ち合わせ」があるってなっていたので、もともとが終了時間が遅いってわかってて…

長い一日がはじまるな、

思って始まった一日でした。

 

そして、

午前のETA BETA、行ったら、

予定変更が告げられました。僕としては、一日でも早くラザニア作りを学びたい! って思っていたのですが、これはもう仕方がない。考えを変えて、「トマトソース作り」

…この辺が、イタリアっぽいな思っています。

 

「今、必要なことを、やるのだ!」

 

とう感じ。

今日、やらないとトマトが傷んでしまうし、今日はこっちでお願いします。…この常に、「今の必要性」。

そして、やるからにはどーんとやっていくのもイタリア流って感じます。出てきたトマトの多いこと、多いこと。

それを二つのチームに分かれて、水で洗って、カットして…

 

ってやっていたら、表ではそれを湯引きするチーㇺがいて…

なんとも豪快な景色がそこにはありました。

そして、この国の、豊かな土地に想いを馳せます。

そして、みんなこの作業を“楽しみながら”やっているのが印象的。

作業に入り、時間が経つとやがて鼻歌が聞こえてきて、そのうちラジオがONになり…

いろんなことを、楽しみながらやっていく…その工夫といいますが、その(最初からラジオはついていないんです)展開に、知恵を僕は感じていました。

 

今あるものを楽しむための工夫をしていく。

 

そして、それがこの国の時間を豊かにしている秘訣なんだと思いました。

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そして、午後は、アルテサルーテ。

 

今日も、

少しずつ人が集まってきて…

(予定の時間には来ている人ときていない人がいます…)30分位したところで、

「そろそろ始めましょうか?」

ってなりました。

そして、僕が歌っていると、

「ねてる」

って、しーーーってしぐさを監督から。

あれっって思って、

そう!そうか!! ここは、僕の担当じゃない!!

 

そして、休憩時間に確認を。

そしたら、やっぱりそこは違っていて…

そっか、先日は、出番でないところを歌っていたにも関わらず、歌わせてくれてたのね…

そして、今日、また、教えてくれた。

 

なんというか、、、

確認することの大切さを改めて感じたのと…

 

「個人の“必要性”」に関する感性が、みんな高いんだなと、

午前の経験も踏まえて思ったところ。

そして、「これはどうなんですか?」聞いたらとても丁寧に答えてくれる。

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人は誰でも、「必要なこと」があって、

それを互いに協力し合って満たしていく。

 

そんな世界観を感じた日でした。

 

だから、打ち合わせも、ほんとそんな風に進んでいって。

 

「自分が」「他人が」今何を必要としているのだろうか?

 

他人のニーズに圧倒されるでなく、自分のニーズをしっかり持って(自覚して)、人との間で生きていく。

 

そこを今、僕は、学んでいます。

 

 

増川ねてる