今日は雪景色!

昨晩は雪が降り積もり、ETABETAは銀世界。
あまりに寒すぎて、通勤中みんなで凍えそうでした!

3月からは春の陽気だという噂ですがどうなることやら…。

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さて、みんな勤務時間になっても集まらず…(毎回のこと)

30分過ぎても集まらず…(天気悪いと毎回のこと)

そうです。ここはイタリア。急な予定変更があっても時間通りに進まなくても待ち人が来なくても、Non c’e problem(問題ないさ)!

楽観的に生きる。和気あいあいと働ける。なんと呼吸のしやすいことでしょう。

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本日は日伊メンバー全員で7種類の小麦を使ったパンを試作することに。

そこで、ピザ職人(酵母料理の専門家)のRさんが登場!

お話を伺うと、Rさんは15年以上前からETABETAで働いているとのこと。そしてなんと、調理業務だけでなく工房でガラス皿制作にも携わっているそうです。

「“丸いものを焼く”という意味で、2つ(ピザ・ガラス皿)は同じようなものだよ!」と語るRさん。

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bty(美しい丸皿たち。)

ETABETAで、時折語られるのは、「ひとりひとりが、唯一の専門性にとらわれずに柔軟に働けるようになること」、そして「専門性以外の分野をも愛し、あらゆる手段や方法を学び、より良く生きる人間で在ること」。

Rさんはそれを体現している人なのかもしれません。そして彼だけではなく、ETABETAにかかわる多くの人(障害の有無、性別、年齢、国籍関係なく)が、それぞれの自分のサイズに合った「生き方」を模索しています。長い月日を経てピアサポーターとして活躍する人もいれば、「ここに来て初めて、(依存症や障害を持った)当事者と共生できる自分を知った」と語る人もいます。この場所が、固有の専門性やアイデンティティから少し距離を置いて「新たな自分の能力や可能性を発掘できる環境」でもある事を感じます。

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実は、あんなに奮闘したのに、時間不足で本日はパン生地を焼けませんでした…。ということで、お野菜のスープをいただきます

「明日こそは、絶対に食べられるよね!?」 そう願いながら、私たちは帰路に着くのでした。

精神保健スタディツアーのご案内 「イタリア ボローニャで考える バザーリア法40周年 -イタリア精神保健の現在と日本のこれから-」

おかげさまで多くの方のお申し込みをいただきました。お申し込みを締め切らせていただきました。


イタリアで、精神科病院の廃止を定めてから40年、医療や福祉の支援者はどのように革新を支え、当事者と家族、地域社会はそれをどう受け止めてきたのかボローニャの歴史と現場の声に、日本からの論客を交え、ともに話し合いましょう。
また、ボローニャ精神保健局の全面バックアップによる医療・福祉施設の視察、イタリアのピアサポーターや家族との、本音の語り合い、昨年より社会的協同組合で始められた「日伊精神障害者共同就労支援プロジェクト」での就労体験、支援者、当事者、家族、行政など、それぞれの立場から、これからの精神保健・医療福祉のあり方について考えましょう。

日程

2018年5月
12(土) 東京発ー同日ボローニャ着
13(日) 午後 オリエンテーション
14(月) バザーリア法40周年記念 日伊合同精神保健フォーラム
15(火) バザーリア法40周年記念 日伊合同精神保健フォーラム
16(水) 終日 精神保健視察 ①医療・デイケア
17(木) 終日 精神保健視察 ②居住・就労・ピアサポートなど
18(金) 日伊共同就労支援プロジェクト体験 または近隣都市観光
19(土) ボローニャ発ー翌20日東京着

費用

288,000円 (フライト+宿泊 朝食代込み)
※現地での通訳費も含みます

定員

20人程度
精神保健・医療福祉の従事者、当事者・家族、障害者雇用の関係者、行政、その他一般

日伊合同精神保健フォーラム

「革新し続けよう、過去を見失ってしまわないように CHI NON INNOVA RISCHIA DI PERDERE IL PROPRIO PASSATO」
基調講演 「イタリア精神保健の40年と将来の展望(仮)」ボローニャ精神保健局
テーマA こころの健康問題をめぐる日伊のサポートモデルの比較
テーマB 地域精神保健における治療、リハビリテーションの現在
日本とイタリアの医療機関・福祉施設、社会的協同組合、当事者・家族などによる発表

日本からの論客(予定)

  • 安保寛明(看護師 山形県立保健医療大学)
    「精神保健福祉医療の近況と変化の兆候」
  • 大熊一夫(ジャーナリスト 第一回バザーリア賞受賞)
    「精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本」
  • 近藤克明(介護福祉士 就労支援キラリア)
    「日本の就労支援と社会的協同組合モデルの援用の可能性」
  • 増川ねてる (ピアサポーター 東京ソテリア)
    「当事者の当事者による当事者のためのバザーリア法」
  • 蓑島豪智(医師 いわくら病院)
    「精神医療から精神保健への転換を目指して ー退院促進に向けたリカバリー志向の取り組み」
  • 村上健(医師 村上医院)
    「精神科病棟を廃止して ー病棟経営、社会資源との連携、患者満足など」

問い合わせ・申し込み

申し込みは、定員に達したため終了いたしました。

日伊精神障害者共同就労支援プロジェクト(NPO東京ソテリア:松本・塚本)
Tel  03(5879)4970
E-mail info@soteria.jp

「日伊精神障害者共同就労支援プロジェクト」とは

障がいのある人にもない人にも、「働き方改革」が求められています。すべての人が仕事への意識と働く意欲を高め、組織全体の生産性の向上を図るために、過労とこころの健康問題の再認識など、これまでの雇用のあり方を見直すことが必要になっています。私たちは、日本の就労継続支援A型事業とイタリアの社会的協同組合との「食」「農」「福祉」における事業提携を踏まえ、精神障がいのある人とともに、仕事と生活、社会との調和のとれた働き方を実現していきます。

「目で食べる」こと

こちらに来て、ひしひしと感じること。

それは… “郷土愛”。

 

共に働くなかで、話が弾むのは、

「ボローニャの特産物は?」

「ボローニャでおすすめのジェラート屋さんは?」

「ボローニャの家庭では、どんな料理を作るの?」

といった、その土地ならではの食の話題。

 

「国」という単位ではなく「地域」単位というのが特徴的なのですが、自分の生きる地域を愛し、その地域で生きる人々(ボローニャは、様々な文化的背景を持った人が多く集まる土地でもあります)を愛し、その地域ならではの食(文化)を愛すること。そして同時に、相手の生きる地域にも関心を持つ姿勢が、真っ直ぐ伝わってきます。

私たちは、彼らのように自分の生きる地域や文化について学べているだろうか?いきいきと目を光らせて語ることができるだろうか?そして、他者が生きる地域に対し敬意を払えているだろうか?  ―そんな問いが投げかけられている気がします。

 

今日はイタリアの仲間たちに、こんなことを言われました。

『あなたたちは、料理を口で食べるの?

イタリアでは目で食べるんだよ!!』

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昼食前には『apparecchiamo』という言葉が飛び交い、丁寧に食卓が彩られます。

「食」を通した発見の多い毎日。それでは、buon appetito(いただきます)!

第三期スタート!

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日伊共同プロジェクト、第三期がスタートしました!

初日ということで、不安と緊張が入り混じっていた私たちでしたが、

朗らかな笑顔と優しいハグで私たちを受容してくれるイタリアチームの懐の深さに、そんな心配もすっかり吹き飛びました。

 

第二期では、著名なシェフ達を招き入れ、地域に開かれた食事イベントを多数主催し賑わっていたETABETA。しかし、冬場ということも影響し、今は落ち着いている時期とのこと。

第三期は、穏やかな時間の中で、じっくりと学ぶことができそうです。

(二期の様子。調理だけでなく、給仕のお仕事をすることもありました。)

 

また、本日は、ETABETA側から、

①お互いの国の文化、表現、メンタリティの違いを学びリスペクトしあうこと

②イタリア料理の技術を習得し、ソテリアカフェに還元していくこと

③ここでの経験が、その人にとっての自立や人生の豊かさに繋がっていくこと

この三つを大切にしていきましょう、というお話がありました。

 

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まだまだ始まったばかりの私たちですが、

精神病院を廃止したイタリアで、「社会的協同組合」で、多様な人々と協働できることは大変貴重な経験となるはず。

自分の身体と心を柔軟に使いながら、みんなで助け合いながら、食を味わい、美を味わい、この国ならではの哲学やメンタリティを味わいつくそうと思います!

 

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(二本の塔付近から眺めたボローニャの街並みと、マッジョーレ広場に飾ってある大きなツリー。この街のことをもっと知りたいね!と語り合いました。)